歯を失ったとき、インプラント、ブリッジ、入れ歯のどれを選ぶべきか迷う方は多いです。それぞれに特有のメリットとデメリットがあり、状況やニーズによって適した選択肢は異なります。

 

ここでは、インプラント、ブリッジ、入れ歯の特徴や違いを詳しく解説していきます。さらに、選び方のポイントや治療を受ける際の注意点についても触れ、最適な決断をサポートします。この情報が、より良い選択をするためのお役に立てば幸いです。

はじめに

インプラント・ブリッジ・入れ歯の主な特徴

歯を失った際の治療法として、インプラント、ブリッジ、入れ歯はそれぞれ異なる特徴を持っています。選択する方法によって、見た目や機能性、使用感に大きな違いが現れるため、自分に合った選択をすることが大切です。

 

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。この方法の最大の特徴は、天然の歯とほぼ同じ感覚で噛むことができる点です。また、隣接する健康な歯を削る必要がなく、単独で機能するため、歯全体の健康を保つ上でも効果的です。一方で、治療期間が比較的長く、顎の骨が十分でない場合には追加の処置が必要になることがあります。

 

ブリッジは、失った歯の両側にある健康な歯を支えにして人工の歯を固定する方法です。この治療法は比較的短期間で行うことができ、見た目も自然に仕上がるのが特徴です。ただし、支えとなる健康な歯を削る必要があるため、元の歯に負担がかかる場合があります。また、欠損部分に食べ物が詰まりやすいという問題もあります。

 

入れ歯は、部分的に歯が欠損している場合や、すべての歯を失った場合に適用される取り外し可能な人工歯です。部分入れ歯と総入れ歯があり、それぞれの状況に応じて選択されます。最大の特徴は、他の治療法に比べて適用範囲が広い点です。また、取り外しが可能なため、清掃やメンテナンスがしやすいのも利点です。ただし、装着感に慣れるまで時間がかかる場合があり、食べ物を噛む力が弱くなることも考えられます。

 

これら三つの方法は、それぞれの特徴を理解し、専門医と相談することで、より適した選択ができるようになります。適切な治療を選ぶことで、日常生活の快適さや健康状態を維持することが可能です。

 

インプラントの基本情報

インプラントの仕組みと治療の流れ

インプラントは失った歯を補う治療法の一つで、人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する仕組みです。この治療法は、自然な噛み心地と美しい見た目を兼ね備えている点が特徴です。

 

インプラントは、チタンやセラミックなどの生体親和性の高い素材で作られた人工歯根を顎骨に埋め込む手術から始まります。この人工歯根は、天然歯のようにしっかりと骨と結合し、安定した土台を形成します。その上にアバットメントと呼ばれる連結部分を設置し、最終的に人工歯を取り付けることで、失った歯を再現します。

 

治療の流れは主に以下の手順で進みます。最初に歯科医による詳細な検査と診断が行われます。この段階でレントゲンやCTスキャンを用いて顎の骨の状態や口腔内の健康状態を確認し、インプラントの適用可否を判断します。次に、人工歯根を埋め込む手術が行われます。この手術は局所麻酔下で行われることが一般的で、術後は数ヶ月間かけて骨とインプラントが結合するのを待ちます。

 

骨と人工歯根がしっかりと結合した後、アバットメントを装着し、その上に人工歯を取り付ける最終段階に進みます。この人工歯は、隣接する歯の形や色に合わせて作られるため、見た目の自然さが高く、機能的にも問題なく使用できます。

 

インプラント治療は、天然の歯と同じように噛む力を回復させるだけでなく、隣接する歯への負担を軽減する点も大きなメリットです。ただし、治療には十分な顎骨量と歯茎の健康が必要であり、定期的なメンテナンスも欠かせません。専門医の診断と適切な治療計画に基づくことで、インプラントは長期的に快適に使用することが可能です。

 

メリットと注意点

インプラント治療は、失った歯を補う方法の中でも特に自然な見た目と機能性を兼ね備えた選択肢として評価されています。しかし、他の治療法と同様に、メリットだけでなく注意点も理解した上で選ぶことが大切です。

 

インプラントの最大のメリットは、天然の歯とほぼ同じ見た目と機能性を提供できる点です。噛む力が回復するため、硬い食べ物や繊維質のある食品を問題なく食べることができます。また、隣接する健康な歯を削る必要がないため、周囲の歯への影響を最小限に抑えられる点も重要です。さらに、人工歯根が顎骨に埋め込まれることで、骨の吸収が抑えられ、口腔内の健康を長期間にわたって維持することが可能です。

 

見た目の自然さも大きな魅力です。人工歯は周囲の歯と調和するように作られるため、治療を受けたことが分かりにくい仕上がりになります。これにより、笑顔や会話に対する自信を取り戻すことが期待できます。また、取り外しの必要がないため、日常生活での利便性も高いです。

 

インプラント治療には注意が必要な点もいくつかあります。まず、治療が適用されるためには十分な顎骨量と歯茎の健康が必要です。骨が不足している場合には骨移植などの追加治療が必要になることがあります。また、治療期間が比較的長く、手術後に骨とインプラントが結合するまで数ヶ月かかる場合があるため、即時的な効果を求める方には向かないこともあります。

 

インプラントを長期間快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。歯周病や感染症に対するケアを怠ると、インプラントが機能しなくなるリスクが高まります。そのため、治療後の口腔内の清潔さを保つ習慣を身につけることが重要です。

 

インプラントは、適切な条件を満たし、しっかりとメンテナンスを行うことで、長期間にわたって快適な使用が可能です。その一方で、治療の適応可否やリスクについて事前に十分な説明を受けることが大切です。専門医との相談を通じて、インプラントの利点と注意点を正確に理解することで、より安心して治療に臨むことができます。

 

ブリッジの特徴と使い方

ブリッジの構造と治療方法

ブリッジは、歯を失った部分を補うために、隣接する健康な歯を支えにして人工の歯を固定する治療方法です。この方法は、比較的短期間で自然な見た目と機能を回復させることができるため、多くの方に選ばれています。

 

ブリッジの構造は、失った歯の部分を補う人工の歯（ポンティック）と、それを支えるための隣接する歯（支台歯）で構成されています。支台歯にはクラウンと呼ばれる被せ物を装着し、その間にポンティックを接続することで、連続した一体型の構造を形成します。この設計により、失った歯を補うと同時に、噛む力を均等に分散させることが可能です。

 

治療の流れは、まず歯科医による診断から始まります。レントゲンや口腔内検査を通じて、支台歯となる隣接する歯の健康状態を確認します。その後、支台歯を削ってクラウンを装着するための土台を整えます。この工程では、支台歯が均一な形状になるように削るため、歯科医の技術が求められます。

 

次に、削った歯の型を取り、ポンティックとクラウンが一体化したブリッジを作成します。この過程で使用する材料は、金属やセラミックなどさまざまですが、見た目や耐久性の観点から適した素材が選ばれます。完成したブリッジは歯科医院で試適され、問題がなければ接着剤で固定されます。

 

ブリッジの治療には、短期間で見た目と機能を回復できるという利点がありますが、注意点もあります。支台歯を削る必要があるため、健康な歯に負担がかかることが挙げられます。また、ポンティックの下に汚れが溜まりやすいため、日常的な清掃を徹底することが重要です。専用のフロスやブラシを使用して、口腔内を清潔に保つことが求められます。

 

ブリッジは、健康な支台歯がある場合に適した治療法です。治療を受ける際には、歯科医と十分に相談し、自分の口腔内の状態に合った選択をすることが大切です。適切なケアを続けることで、ブリッジを長期間にわたり快適に使用することができます。

 

メリットとデメリット

ブリッジは失った歯を補う治療法の中でも、比較的短期間で機能と見た目を回復できる方法として広く利用されています。しかし、この治療法には特有のメリットとデメリットが存在します。それぞれの特徴を理解し、自分に合った選択をすることが重要です。

 

ブリッジの最大のメリットは、治療期間が短い点です。インプラントのように骨と人工歯根が結合する時間を待つ必要がないため、数週間から数か月で治療が完了することが一般的です。また、ポンティックと呼ばれる人工の歯は、隣接する支台歯と一体化して設置されるため、見た目が自然で、口を開けた際に治療を受けたことが分かりにくい仕上がりになります。

 

さらに、ブリッジは固定式のため、装着中に動くことがなく、日常の食事や会話に支障をきたしません。取り外し式の入れ歯と比較すると、違和感が少なく使い勝手が良い点が大きな利点です。加えて、治療費用や施術の複雑さが比較的軽減されるため、インプラントに比べて受け入れやすい選択肢とされる場合があります。

 

一方で、デメリットも考慮する必要があります。最大の課題は、隣接する健康な歯を削る必要がある点です。支台歯を削ってクラウンを装着することで、長期的にはその歯に負担がかかり、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。また、ポンティックの下に清掃が難しい部分が生じるため、口腔衛生を維持するための特別なケアが必要です。

 

さらに、ブリッジは骨に直接作用しないため、失った歯の部分の顎骨が徐々に吸収される可能性があります。この現象は、顔の輪郭や口元の形に影響を及ぼす場合があり、長期的な問題となることがあります。また、支台歯の状態が悪化した場合、ブリッジ全体を再作成する必要があるため、維持管理にも注意が必要です。

 

入れ歯の種類と役割

部分入れ歯と総入れ歯の違い

入れ歯は、歯を失った部分を補うための取り外し可能な人工の歯であり、部分入れ歯と総入れ歯という二つの種類があります。部分入れ歯は一部の歯を失った場合に使用され、総入れ歯はすべての歯を失った場合に使用されます。それぞれの特徴を理解することで、より適した選択が可能となります。

 

部分入れ歯は、失われた歯の部分だけを補うもので、残っている健康な歯に金属の留め具や特殊な素材で固定する仕組みです。留め具が歯をしっかりと支えるため、装着時の安定感が高く、自然な噛み心地を提供します。また、比較的短期間で製作可能であり、手術を必要としない点が特徴です。さらに、失った歯が増えた場合でも、部分入れ歯を修正して対応することが可能な柔軟性を持っています。一方で、留め具が見える場合があり、見た目を気にされる方には課題となることがあります。

 

総入れ歯は、すべての歯を失った場合に使用され、歯茎全体を覆う形で装着されます。総入れ歯は、口の形状に合わせて製作されるため、適切にフィットすれば安定した使用感を得ることができます。また、歯がすべてない場合でも噛む力を回復させ、食事や会話をスムーズにする役割を果たします。ただし、適応には個人差があり、最初は違和感を感じる方もいます。特に、口腔内の形状によっては動きやすい場合があり、適切な調整が必要です。

 

部分入れ歯と総入れ歯は、適用される状況や目的に応じて選択されます。部分入れ歯は、残った歯を最大限に活用しながら歯列を補う方法であり、天然歯の機能を維持することを重視します。一方、総入れ歯は、歯が完全に失われた場合の補綴物として、機能と見た目を回復するための包括的な解決策です。いずれの場合も、使用中の違和感や清掃方法については歯科医と十分に相談することが大切です。

 

入れ歯の主な利点

入れ歯は、歯を失った際の補綴方法として、機能的にも経済的にも多くの利点を提供します。この治療法は、部分的な歯の欠損から全ての歯を失ったケースまで幅広く対応できる点で、多くの方に選ばれています。

 

入れ歯の最大の利点は、適用範囲が非常に広いことです。部分入れ歯は、残存している健康な歯を活用しながら失った部分を補います。一方、総入れ歯は、歯が全て失われた場合においても、口全体の機能を回復するための包括的な選択肢です。これにより、どのような歯の欠損状況でも適切な方法を見つけやすくなります。

 

入れ歯は取り外しが可能であるため、清掃が容易で衛生的です。毎日のお手入れがシンプルに行えることは、口腔内を清潔に保つ上で重要な要素となります。特に、総入れ歯は歯肉全体を覆うため、適切な清掃を行うことで、口腔内の健康を維持しやすい仕組みとなっています。

 

製作や調整が比較的迅速に行える点も、入れ歯の利点の一つです。歯を失った後、比較的短い期間で日常生活を取り戻せるため、食事や会話への影響を最小限に抑えることが可能です。また、修理や調整が比較的簡単であるため、長期間にわたって使用できる柔軟性も備えています。

 

さらに、入れ歯は他の治療法と比べて身体的負担が少ない点が特徴です。インプラントのような外科手術を必要とせず、ブリッジのように隣接する歯を削る必要もありません。このため、全身的な健康状態が気になる方や手術を避けたい方にとって、安全かつ選びやすい治療法といえます。

 

入れ歯を使用することで、噛む機能が回復し、食事を楽しむことができるようになります。特に総入れ歯は、全ての歯がない状態からしっかりと噛む力を取り戻すため、栄養バランスの取れた食事が可能となります。また、歯が揃うことで発音が改善されるため、会話もスムーズに行えるようになります。

 

入れ歯は、失った歯の機能を補いながら、口元の美しさも回復させる治療法です。その利点を最大限に活用するためには、専門医との適切な相談を行い、個々の状況に合った選択をすることが大切です。適切なケアを行うことで、入れ歯を快適に長く使用することができます。

 

治療法を比較

耐久性とメンテナンスの観点から

インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つの治療法は、それぞれに異なる特徴を持ちます。特に耐久性とメンテナンスの観点からは、それぞれの利点と課題を理解することが重要です。

 

インプラントは、顎の骨に埋め込んだ人工歯根が支えとなり、天然の歯に近い安定性を提供する治療法です。この方法の耐久性は非常に高く、適切なケアを行うことで20年以上使用することが可能とされています。また、インプラントは隣接する歯に影響を与えず、独立して機能するため、長期間にわたり口腔内の健康を維持する助けとなります。ただし、インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。専門的な清掃や検診を受けることで、歯周病やインプラント周囲炎を予防し、耐久性を保つことが重要です。

 

ブリッジは、隣接する歯を削り支台として人工歯を固定する方法です。治療後すぐに機能を回復できる点が特徴ですが、支台となる歯に負担がかかるため、耐久性には限界があります。平均的な寿命は10年程度とされており、支台歯が損傷した場合にはブリッジ全体の再作成が必要になることがあります。また、ブリッジの清掃には特別な注意が必要です。ポンティックと歯茎の間に汚れが溜まりやすいため、専用の歯間ブラシやフロスを使用して清掃を行うことが求められます。

 

入れ歯は、部分入れ歯と総入れ歯に分かれ、取り外しが可能な補綴物として幅広く使用されています。その耐久性は使用素材やメンテナンスに左右されますが、一般的には5年から8年程度とされています。入れ歯は、日々の使用や口腔内の形状の変化によってフィット感が変わるため、定期的な調整や修理が必要です。特に、清掃が不十分な場合には、口腔内に炎症が起きやすくなるため、毎日の手入れが欠かせません。専用のブラシや洗浄剤を使用し、清潔を保つことが重要です。

 

これらの治療法を比較すると、インプラントは耐久性に優れる一方で、メンテナンスの手間がかかることが分かります。ブリッジは短期間で機能を回復できる利点があるものの、長期的には支台歯の負担を考慮する必要があります。入れ歯は柔軟性が高く、取り外しが可能な点で利便性が高い一方、フィット感の維持には継続的なケアが求められます。それぞれの特徴を理解し、自身の口腔内の状態やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。

 

治療にかかる期間と身体への負担

インプラント治療は、3つの治療法の中で最も時間がかかる方法です。治療は大きく分けて診断、人工歯根の埋め込み手術、骨との結合期間、人工歯の装着という流れで進みます。人工歯根を埋め込む手術後、顎骨とインプラントがしっかり結合するまで3か月から6か月程度の期間が必要です。この結合期間は、骨の状態や治癒力によって異なります。また、骨量が不足している場合には、骨移植やサイナスリフトといった追加の手術が必要になることがあり、さらに治療期間が延びる場合があります。一方で、身体への負担は手術を伴うため一定のリスクがありますが、適切なケアを行うことで回復が見込める場合が多いです。

 

ブリッジは、治療期間が比較的短い方法です。診断からクラウンの製作、装着までの期間は約2週間から1か月程度で完了することが一般的です。この治療法では、隣接する歯を削って支台として使用するため、削る際に痛みを伴う場合がありますが、局所麻酔を使用することでほとんどのケースで痛みを抑えることが可能です。身体への負担はインプラントに比べて少ないものの、健康な歯を削る必要があるため、歯全体への影響を考慮する必要があります。

 

入れ歯は、部分入れ歯か総入れ歯かによって製作期間が異なりますが、一般的には数週間から1か月程度で完成します。診断後、型取りや試用、最終的な調整を経て装着される流れです。製作後も口腔内の状態に応じた微調整が必要になることが多いため、複数回の通院が必要です。入れ歯は取り外しが可能なため手術は不要であり、身体的な負担が最も少ない治療法といえます。ただし、装着後に違和感を感じる場合があり、慣れるまでに時間がかかることがあります。

 

これらの治療法には、それぞれの利点と課題があります。インプラントは時間を要しますが長期的な安定性が高く、ブリッジは短期間で機能を回復でき、入れ歯は身体への負担が少ない点が特徴です。自分の口腔内の状態や生活スタイルに合わせた選択が大切です。専門医と相談し、十分な情報を基に治療法を決定することが重要です。

 

各治療法を選ぶためのポイント

自分に合った治療法を見つけるための基準

現在の口腔内の状態が最も重要な判断材料です。例えば、顎の骨量が十分にある場合には、インプラントが長期的な安定性と機能を提供する優れた選択肢となります。一方で、骨量が不足している場合や全身的な健康状態に不安がある場合には、ブリッジや入れ歯が適していることがあります。また、隣接する歯の状態が良好であれば、ブリッジを選択することも検討できますが、健康な歯を削る必要がある点には注意が必要です。

 

次に、治療にかかる時間も選択基準の一つです。インプラントは手術後に顎骨との結合期間が必要で、全体で数か月から半年以上かかることがあります。一方で、ブリッジや入れ歯は比較的短期間で治療が完了するため、早く日常生活を取り戻したい方に向いています。ただし、短期間で済む治療法でも、長期的なメンテナンスの必要性を考慮することが大切です。

 

費用面も考慮に入れるべき重要な要素です。それぞれの治療法には異なる費用がかかり、さらに材料や治療内容によっても変動します。ただし、費用だけで判断せず、治療後の維持管理や長期的な効果を含めて総合的に評価することが重要です。

 

生活スタイルや使用感も選択基準となります。例えば、インプラントは固定式で取り外しの必要がないため、自然な使用感を求める方に適しています。一方で、入れ歯は取り外しが可能で清掃がしやすいため、日々の手入れを重視する方に向いています。ブリッジは固定式ですが、隣接する歯への負担や清掃の手間を考慮する必要があります。

 

治療後のメンテナンスも重要なポイントです。インプラントは定期的な検診とプロフェッショナルな清掃が必要であり、口腔内を清潔に保つことが長期使用の鍵となります。ブリッジは隙間に汚れが溜まりやすいため、特別なフロスや歯間ブラシでのケアが欠かせません。入れ歯は取り外し可能で清掃が簡単ですが、フィット感を維持するために定期的な調整が必要です。

 

自分に合った治療法を選ぶためには、口腔内の状態や生活スタイル、費用、治療にかかる時間などを総合的に考慮する必要があります。歯科医としっかり相談し、メリットとデメリットを理解した上で、最適な選択をすることが大切です。

 

医師との相談時に確認すべきこと

医師との相談時には、自分に最適な治療法を見つけるために必要な情報を明確にすることが重要です。事前に確認すべきポイントを把握しておくことで、治療計画の理解を深め、安心して治療に進むことができます。ここでは、相談時に確認すべき事項を具体的に解説します。

 

まず、現在の口腔内の状態について詳しく聞くことが大切です。歯や顎骨、歯茎の状態は治療法の選択に直接関係します。医師にレントゲンやCTスキャンの結果を基に、どの治療法が適しているのか説明を受けましょう。特にインプラントを希望する場合、顎骨の骨量が十分かどうかや追加の処置が必要かを確認することが重要です。

 

次に、治療の具体的な手順やスケジュールを確認します。各治療法には異なる手順があり、それに伴う通院回数や治療にかかる期間も異なります。例えば、インプラントは骨と人工歯根が結合する期間が必要で、全体で数か月かかる場合があります。一方、ブリッジや入れ歯は比較的短期間で治療が完了するため、自分の生活スケジュールに合わせて計画を立てることが大切です。

 

治療後のメンテナンスについても確認が必要です。インプラントの場合は定期的な検診やプロフェッショナルな清掃が推奨され、ブリッジや入れ歯も専用の清掃方法が必要です。医師に具体的なメンテナンスの方法や、将来的な調整や修理の可能性について説明を求めると安心です。

治療法ごとのリスクやデメリットも明確にしておきましょう。どの治療法にもメリットだけでなく課題があります。例えば、インプラントは手術を伴うため一定のリスクがありますが、長期的な安定性が期待できます。一方で、ブリッジは健康な歯を削る必要があるため、長期的な歯の健康に影響する可能性があります。入れ歯は取り外しが可能で便利ですが、フィット感を維持するために調整が必要な場合があります。

 

治療費についても確認することが大切です。ただし、費用だけで判断せず、長期的な維持管理や効果も考慮する必要があります。保険適用の範囲や追加費用の有無についても詳しく説明を受けると良いでしょう。

 

医師との相談時には、事前に質問事項をまとめておくとスムーズです。現在の状態や希望する治療法について具体的に話し合い、納得した上で治療を進めることが大切です。これにより、治療後の満足度を高めることが期待できます。

 

まとめ

歯を失った際の治療法として、インプラント、ブリッジ、入れ歯はそれぞれ異なる特徴と役割を持っています。それぞれの選択肢には、適用される条件やメリット、注意点があり、選択にあたっては自分の口腔内の状態や生活スタイル、治療に対する希望を総合的に考慮する必要があります。

 

インプラントは、長期間安定した機能を提供する治療法であり、見た目や使用感が天然の歯に近いという利点があります。ただし、治療期間が長く、手術が必要なため、事前の検査と計画が重要です。ブリッジは短期間で機能を回復できる実用的な方法ですが、隣接する歯を削る必要があるため、健康な歯への影響を考える必要があります。入れ歯は身体的な負担が少なく、幅広い状況に対応できる柔軟性を持っていますが、慣れるまでの違和感や定期的な調整が必要です。

 

どの治療法を選ぶ場合でも、適切な情報をもとにした判断が重要です。自分に合った選択をするためには、専門医との十分な相談が欠かせません。相談時には、治療の流れやメリットだけでなく、リスクや注意点についても詳しく説明を受けることが大切です。また、治療後のメンテナンス計画についても確認し、長期的な視点で治療を考えることが推奨されます。

 

適切な治療法を選び、計画的に進めることで、失った歯を補うだけでなく、口腔内の健康や生活の質を向上させることが可能です。各選択肢の特徴を理解し、自分に最適な治療を選ぶことで、快適な日常生活を取り戻すための第一歩を踏み出すことができます。

 

よくある質問

Q. インプラント、ブリッジ、入れ歯の違いを一番簡単に教えてください。

A. インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、天然歯のような見た目と使用感を提供します。ブリッジは隣接する歯を支えに人工歯を固定する方法で、短期間で治療が完了します。入れ歯は取り外しが可能な人工歯で、部分的な歯の欠損からすべての歯を失った場合まで幅広く対応します。それぞれに特徴があり、ライフスタイルや口腔内の状態に合わせた選択が大切です。

 

Q. ブリッジと部分入れ歯、見た目や使い心地はどちらが優れていますか？

A. ブリッジは固定式のため、見た目が自然で装着時の違和感が少ないのが特徴です。部分入れ歯は取り外し可能で、清掃がしやすい反面、装着時に若干の異物感を感じる方もいます。見た目を重視するならブリッジが向いていますが、清掃やメンテナンスの手軽さを求める方には部分入れ歯が適している場合があります。

 

Q. インプラントが適していないのはどんな場合ですか？

A. 顎の骨量が不足している場合や、全身的な健康状態に問題がある場合、インプラントは適用が難しいことがあります。また、手術を伴うため、治癒力が低下している方や出血傾向がある方には慎重な判断が求められます。その場合、ブリッジや入れ歯といった代替治療法を検討することが一般的です。

 

Q. 入れ歯が動きやすい場合、どう対処すれば良いですか？

A. 入れ歯が動きやすい原因には、適合性の低下や歯茎の形状の変化が考えられます。まずは歯科医に相談し、調整を行うことでフィット感が改善する場合が多いです。また、安定剤の使用やインプラントを併用した入れ歯（インプラントオーバーデンチャー）を検討することで、さらなる安定感を得ることができます。

医院概要

医院名・・・Lioデンタルクリニック

所在地・・・〒658-0022 兵庫県神戸市東灘区深江南町１丁目１２−１６ 光南ハイツ

電話番号・・・078-453-0828